株価から考える
ふつうは「財務」や「業績」から「株価」を考える。
典型的な例がPBRとかPERとかである。
だが、経営の視点から見る場合は、「株価」から「企業」を見た方が参考になることも多い。
投資家目線でみると、テスラよりトヨタの時価総額が高いのがどうかとか、キーエンスの株価が高すぎるとか、いろいろな見方がありえるが、そうした見方をしているうちは一投資家にすぎない。
それより、「株価」の高い企業の「事業」をみて、何が高株価の原因かを考えると、「新規事業」や「事業変革」へのヒントがたくさん隠されている。
これが乱世(経済環境の大きな転換点)における事業家、起業家の発想ではないか?
日本企業で時価総額第3位となったキーエンスは、最小の資本と人で最大の付加価値を創造することを強く意識した結果、今のコンサルティング営業&ファブレス経営になったという。
高付加価値経営を実現させるには、どの業務(R&D、製造、購買、営業など)を内部で行い、どの業務をアウトソースするのか、戦略的な決定が必要となる。そして、内部で行うことを決めた業務については徹底的に磨き上げる必要がある。
株価の低い企業は漫然と事業を継続していないか? 規模ばかり大きくなっていないか?
一度、高株価企業の付加価値創造について深く考えてみることが必要であろう。